天女の羽衣の香りアイリス
アイリスパリダ(匂いあやめ)の花は、
柔らかな薄紫で天女の羽衣のように美しい。
昔から紫は、高貴な色の代表とされるように、
香りもその色の通り、知性と気品あふれる美しい香りがします。
香料となる“香りのエキス”は、
花からではなく、根茎の部分から抽出します。
まるで山芋!この中に、あの芳しい香りを持っているなんて…!!
生命のエネルギーを貯め込んでいる根の部分には、
タンクのように香りの素も貯め込んでいるのですね。
アイリスパリダの根茎から抽出されるイリス精油《 Iris absolute 》は、
その希少性から、金に値するほど高価と言われるほど、大変貴重なものなのです。
というのも、その素晴らしい香りを抽出するには、
長い年月と大変な手間、そして高い技術力が必要だから。
まず、質のいい根茎を育て上げることから始まります。
栽培に2年かかり、育った根茎は手作業で丁寧に皮を剥ぎます。
そして約3年間乾燥、熟成させます。
そうすることで、アイリスの重要香気成分“イロン”が生み出されるのです。
あの独特な、気品高くパウダリーで甘い、スミレの花のような深い紫の香りが。
その後、半年かけて、何段階もの大変高度な技術が必要な抽出の作業を行います。
慎重に、的確に。
こうして、アイリスの栽培からイリス精油《 Iris absolute 》が出来上がるまでに、
なんと約6年もの歳月を要するのです!
しかも、何百kgもの大量の根茎からは、ごくごくわずかな量の精油しか採れません。
このように、かなりの時間と手間がかかるため、栽培抽出している会社もほとんどなく、
それゆえ、香料の世界でもトップクラスの希少で高価な香料なのです。
名香と呼ばれるものには必ずと言っていいほど使用されており、
香水創りには欠かすことのできないような重要な香りなのです。
香水の品格を底上げしてくれるような大変重要な香りの要素で、
特に香水のラスト(最後の方に香り、香りを維持させるような役割)に
秀逸な存在感をあらわしてくれる、香りの優等生。
主役も張れる存在感であるものの、縁の下の力持ちでもある、
いわば“香りのオールラウンダー”。
香りの世界では、特異な存在かもしれません。
まぁなにより、メインの香りにするには希少で高価すぎるので、
あまり主役に選ばれないのかもしれませんが…。
アンティアンティでは、自社農園でのアイリスパリダの完全無農薬栽培、香料の抽出に成功、
オリジナルでアイリス香料の成分分析や研究を重ね、さらなる高みを目指しています。
ミステリアスなアイリスの秘めたパワーや魅力を紐解き、引き出すため、
富山県と共同研究を行い、日々研究開発を行っています。
どこか知的でミステリアスな、凛とした気品のある香り。
いわゆる“パウダリー”と表現される、お粉のようなベールに包まれた香り。
一度好きになると“ハマる”、そんな魅力を持った香りです。
アイリスの香りは、甘くおおらかで落ち着きがある大人な香り。
はじめは、少し近寄りがたさを感じさえするかもしれない。
確かに、アイリスの香りは好みが分かれることもある。
自分には似合わないかもしれない、とか、頭で考えず、
少しでもピンと来たら、身にまとってみるのもいいかもしれません。
その人と香りのイメージが似合うというのもありますが、
憧れとするようなイメージの香りをまとうことで、
役を演じる俳優のようにその憧れに近づいたような、
そんな気分になるかもしれないから。
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