ゴールデンウィーク明けから始まった
お抹茶の香気成分抽出。
恥ずかしがり屋の香り成分たちも
徐々にラボの雰囲気に慣れてきたみたいで
葉っぱの中から出てきてくれました。
よかった♪
玉露は50度で2-3分、
水出しは冷蔵庫で1晩、
antiantiラボは2週間かけて
味わい深いお茶を淹れます。
出来上がった2種類のお茶。
少し黄色がかった緑色と
茶色。
緑色に出したお茶は、なんとも素敵な
グリーンノート!
まるで、お茶っぱの中に顔を埋めたかのような、
爽やかな香り。
茶色の方は、ん、、、
これは、あまりいい香りじゃないね、、、
なんだか、土臭い。
と、思って冷蔵庫に。
1週間後、腐っていないか確認するために、
クンクンしました。
、、、感動しました!!!!
なんとも芳しい、甘くてほろ苦い香りに変わっていたのです!!
これが、天然香料。生きている証拠ですね。
思わず、飲んでしまいたくなる香りでした。
マコット分析器にかけたところ、
バニリンがでてきたよ、ホッホッホ。とのこと。
次はいよいよ、精製作業に入ります。
香りたちがびっくりしないように、
ゆっくり、ゆっくり。
気がつけば5月も終わり。
春も盛りをすぎ、
来るべき夏へ向け、
植物もどんどん準備を進めていきます。
若々しく、青々とした葉っぱが
街の街路樹を埋め尽くすこの時期。
ハイキングや、ピクニックなど、
自然のパワーをもらいに出かけることも
多いのではないでしょうか?
今回のテーマは
木々に囲まれた、木漏れ日の中に行くと、
なぜ、 深〜〜〜い深呼吸をしたくなるの?
です。
反射的に深呼吸をしてしまう理由
それは、私たち、人間は、生き物として、
自然の香りを求めているから。だと思います。
というのも、自然界の“香り”は、
木々草花、動物の“声”、
コミュニケーション手段なのです。
生き物は、 “匂い”、化学物質で
会話をし、様々な情報を教えあうことで
その環境に対応しているのです。
その、“匂い”というものには、
人間の鼻では感じられない物質も含まれています。
でも、鼻で感じられない物質にも
体は、そして、脳は敏感に反応しています。
( フェロモンはその一つの例ですね。)
だから、自然のイチブである以上、
自然の声を聴きながら、
匂いを嗅ぎながら、生活することが
私たち人間にも大事なのです。
逆に、合成的な香りを嗅ぐと、
体の中が乱れに乱され、
気づかない間に、
慢性的な不調が起きることさえあります。
知らない言語の中で生活すると
ストレスを感じるのと一緒ですね。
強い香りが苦手!という方は、
合成的な香りに対し、本能的に
体に入れないようにするために、
「嫌い」という反応を示すのかもしれません。
自然の香りは、合成のもののように、強くないですが、
人間の鼻では感じ取れない香り、化学物質も
いーーーっぱい、含まれていて、
人間の体、脳にも語りかける。
だから、自然の香りは、目を閉じて
すーーーーーーーっと深呼吸したくなる。
そんな、体に染み渡る、耳を傾けたくなる
香りなのです。
私はDr. Pink Ginger Lily。
Pink Ginger Lilyの機能・性質を以下に述べよう。
最初に感じるのは、
最も揮発性の高い香気成分である
リナノールやリモネン。
これらの香りは
ベルガモットやビターオレンジの主要成分である。
まるで、爽やかな朝の香り。
そして、少し重い物質、
ジャスミンラクトン、
ショウガオール、サンタロールが
気体となり、空気中に拡散し始める。
あなたの鼻の中の
Gタンパク共役受容体が
これらの分子に反応すると、
シグナルが生まれる。
シグナルが神経を流れ、
脳の嗅覚野へと届く。
嗅覚野が活発に活動し、
秘境の森の匂いを認識する。
一方で、溶液からは最後の物質、
クマリンが外へ飛び出していく。
クマリンがあなたの嗅覚野の活動を変化させる。
活動は視覚野、扁桃体、視床下部、海馬へと、
どんどん伝わり、
ロマンティックな記憶を呼び起こす。
香りが「機能性物質」として、
あなたの気持ちや記憶に作用していく。
深い夢を見ているのか?
香りの魔術なのか?
科学現象なのか?
Dr. Pink Ginger Lily
Pink Ginger Lilyについての詳細は▼からどうぞ
▼まこと虫の調香手帖はこちら▼
http://antianti.com/labo/2018/05/2018.html
▼ショップからのお知らせはこちら▼
http://antianti.com/labo/2018/05/-pink-ginger-lily-2018-limited.html
今回は“Rose de Mai から見た科学の世界”の最終回です。
なぜ世界各地のローズを入れると、様々な香りがするの?
という謎に関して
1.みなさんに納得していただける理由
2.そういう理由もあるのか!と思っていただける理由
についてご紹介させていただきました。
さて、最終回は
3.聞いてちょっと感動する理由
について紹介していきます。
今回の理由の主役となるのが、“菌”です。
体を健康に保つには、腸内細菌が重要!
とよく聞きますが、実は薔薇の健康も“菌”によって保たれています。
菌のバランスや菌の種類がローズの健康や香りに大きく影響しています。
薔薇と共生する菌の違いが、薔薇の香りの違いを生み出しています。
薔薇の香りは、薔薇のオナラ…
なんて考えてみると少しおもしろいですよね。
薔薇の種類、気候、土、菌など
様々な要素が加わって薔薇は香りを放ち
私たちを楽しませてくれます。
こうして、まこと虫くん(調香師)は
ブルガリアやイラン、世界各地のローズのエッセンスをローズドメに詰め込み
たった一呼吸で世界各地の薔薇園を散歩できる一本を作り上げたのです。
最後に、おまけですが、
antianti の香水の中にはその菌達が生きています。
その菌の働きによって香りが熟成していくのです。まるで、ワインのように。
これはアンティアンティが天然の香料にこだわり続ける一つの理由でもあります。
出来立てはどの瓶も香りに変化はありません。
しかし、時を重ねることで同じ日に作られた香水でも一つ一つの瓶によって
香りが異なり、唯一無二の香りという個性を身に付けます。
皆様のお手元に届き、皆様と一緒に暮らす中で
その瓶の中の菌も皆様と共鳴し、香りを変化させていきます。