調香師の香水手帖の最近のブログ記事
<Rose de mai>
その名を上手くつけたフランスローズは、五月に咲く。
ローズセンチフォリアと名前がつけられ、花びらが101枚あると言われていた。
昔実際に数えたが、103〜104枚あったと遠い記憶にある。
香調は、フェニチルアルコールの可愛いピンク色の甘い香りがする。
後からは少しだけ苦くて甘いオイゲノールの香りがしてくる。
ブルガリア産ローズダマセナは、哺乳類の香りがする。
昨年狂い咲いた富山の有機ローズダマセナのオイルを、
2006年物のイランローズダマセナとトルコローズ、ブルガリアローズ、
ブルガリアローズアブソリュートで作ったオールドローズに入れた。
富山ローズは、フランス産ローズ ド メ アブソリュートと同格で、
オイゲノールが多くあり、苦くて甘い野生的な香りである。
五月に咲いた富山県産薔薇農園の野生の香りと、
世界に咲く薔薇を全て入れて仕込んだよ。
出来た香りはビンテージ薔薇香水の一級品と言えます。
めちゃくちゃ気品高い高貴な自信作です。
19世紀末にタイムスリップして
香りの旅をお楽しみください。
まこと虫
P.S.
販売情報は追って発表いたします。
アイリスの紫色した甘くパウダリーな花の香りは、
香水好きなナポレオン夫人、マリーアントネット王妃などが最後に魅了された香り。
好き嫌いがはっきり分かれる。
<画像:自社農園のアイリスパリダ>
今作「Iris blanc」には、自社農園で栽培したアイリスパリダ(匂いあやめ)の
根茎から抽出した、“イリスバター”と呼ばれる希少な香料を使っている。
栽培に2年、収穫した根茎の乾燥と熟成に2年、抽出に半年の時間がかかり、
アイリスの絶対精油《 Iris absolute 》が採れます。
エタノールにアイリス絶対精油を入れて良い香りが出来上がるのに、
最低5年熟成させます。
そこに、ジャスミン、オスマンタス、ナルシス、チュベローズ、
ローズオイルなどに参加してもらいます。
来賓として、気品高いネロリアブソリュート、サンダルウッド、
アルバート、ブルボン産バニラビーンズ。
今作の開発テーマは、
『パウダリーになりすぎずに透きとおり、人それぞれの香りになる』
でした。
<画像:自社農園のアイリスパリダ>
肌の中から浮き出てくる香りは、生物が問いかけるように表現が違います。
自分の体調の変化や気持ちによっても違ったりします。
アイリスの香気成分イロンは、ケトン体と言われ、
脳に刺激を与えるという論文や研究が進んでいます。
脳のおやつとして、また、おやすみ前にお使いいただけます。
インテリジェンスな香りの旅をお楽しみください。
まこと虫
<追記>
発売についての詳細は追ってSNSでご案内します。
ジャスミンの重要香気成分インドールが香る。
そのまま嗅ぐと排泄物の匂いがするが、
希釈すると甘い花の香りがする。
2006年11月の新月にジャスミンの産地別、
エジプト、インドと品種の違うインド サンバックを
エタノールに入れ、冷暗所に5年間熟成。
2011年にようやく花の香りがやってきたので、
満月の日にマイナス20度の冷凍庫に48時間閉じこめた。
そのあとに、モスリン布とレーヨンの間を通して
不安定な物を濾過するのだ。
濾過したジャスミン家族に新しいお友達を紹介しながら、
いっしょに住ませることになる。
ネロリの白い花、ローズ王妃、インドのマイソールから来た
サンダルウッドに、ブルボン家から嫁いだバニラビーンズ、
中国からのオスマンタス(和名 金木犀)に、イリスとAmber。
中心はジャスミン家なので、親戚がエジプトとインドから集まった。
自己紹介しましょう。
*お家 Jasmin Absolute Egypt
*名前 Jasminum grandiflorum L
香気成分(自社分析)
Linalool,benzoyl acetate,indole,eugenol,cis-jasmone,
benzoyl benzoate
暖かさと力で支えられたフローラル フルーティーな
キャラクターであり、元気とパワーがある。
*お家 Jasmin Absolute INDIA
*名前 Jasminum grandiflorum L
香気化合物(自社分析)
Linalool,benzoyl acetate,indole,eugenol,cis-jasmine,
benzoyl benzoate
トロピカル フローラル フルーティノート、
古典的なジャスミン。
*お家 Jasmin Absolute Sambac
*名前 Jaminum sambac (L.) A
香気成分(自社分析)
Linalool,benzoyl acetate,indole,methyl anthranilate,
cis-3-hexenyl benzoate,Germaca-1,6-dine-5-ol
最初のノートはバナナの皮のような連想を
フローラルジャスミン、パワフルグリーンフルーティ。
色々なジャスミンとのグラデーションで奥深い香り。
天然香水は、分解される長所と、香りが持続しないのがテーマである。
ネロリの香水は、嗅いだ瞬間に広がる白く輝く花に、
オレンジ色と白檀が絶妙で、
すぐ消えてしまうのが良いのか悪いのかであるの。
この瞬間をこの状態でいてくれるようにお願いしたいが、
簡単ではないのです。
2003年に仕込んだネロリ油とオレンジabsoluteが少量残っていて、
昨年から不要なものを濾過しながら仕上げたものができた。
シンプルで、ネロリとサンダルウッドが上手くとどまっていてくれてる。
“オールド ネロリ”
とでも言いましょうか。
そんなあたたかい香りです。
今回もほんの僅かの製作です。
発売についての詳細は追ってSNSでご案内します。
まこと虫
<ご注意>
・写真はイメージのため液体の色やパッケージなどは実際と異なります。
ニオイスミレは、紫色した小さいチャーミングな花。
この花の香りを嗅いだ瞬間、これは自然が生み出した香りなのかと感動し、恋におちた。
この花の素晴らしい香りをイメージして作った天然香水。
『Deep Violet』
はじめに飛んでくる香りは、フレッシュグリーン。
良いところだけを分子蒸留した、
Violet Leaves absolute とBasil Grand vert。
次に香ってくるのは、Narcissus absolute、Carnation absolute、Osmanthus absolute、Tuberose absolute。
金色に輝く花たちが集まり、お洒落でゴージャスな雰囲気に。
紫色の表現は、
Orris absoluteAmbergris、Linden CO2。
今回、秘密の処方を開発したことで、深い紫色の香りが2時間から6時間ずーっと香る。。。
つける人によって香りが違うよ。
スミレの香気成分の正体はIron(イロン)で、Orris(オリス)の根茎に含まれる。
根茎を乾燥させて、香ってくるまで2年ぐらいかかる。
これを日本で栽培している。
香りの旅の終わりには、
紫色のスミレの花がそこにいますよ。
一度嗅いだら忘れられない馨しいスミレの香りは、
あの王貴妃たちが大好きでした。
優雅なドレスからも香ってくるバイオレットは
想像を超えた夢の世界でした。
どうぞおやすみ前にお使いください。
MACOTT
<Pink Ginger Lily香りの旅>
暑い季節に出会う、香港の洒落た香り。
大好きな香港に行くと、街角で農家のおば様がジンジャーリリーの花を
売っていて、出会うと必ず買ってホテルに持ち帰る。
エレガントなクリームのハーモニーは、ジャスモンの香りが骨格を作り、
フレッシュでグリーンな夏風が絶妙に混ざり合い飛んで来るよ。
次にジンジャーとネロリの白い花、オレンジフラワーが便乗して来る。
その後に遅れて便乗してくる、変わり者のチュベローズ。。。
こんなセクシーでオシャレな花なのだ。
ジンジャーリリーのオーデパルファンは完売した。
スプレーした瞬間の香りに酔いしれた。。。。とお客様が言い、
すぐ消えてなくなるから残念と宿題をいただき、MACOTTで健闘した。
香水は濃度が高いため、スプレーで使用し続けると詰まってしまう。
少量では問題ないのだが、手首でジンジャーリリーを表現するのはやはり厳しく、
私の脳は鍛えられてどんどん進化して、
香りの重さは計らなくても同じで、自動計算機がオプションで追加された。
白いジンジャーリリーをピンクに仕込んだのは、
セクシーでエレガントな花のピンク色の魅力を表現して、
清潔でオシャレな可愛いさを強調したのだよ。
清潔さのItalian BergamotとOrange Flower、Neroliから始まり、
Violet Leaf、Jasmine Egypt、Jasmine Sambac、Gingerに、Tuberoseが便乗した。
MACOTTにしかない、Pink Lilacの花から二酸化炭素抽出した、
特別なお客様もご招待したのだ。
また、新しいエンターテイナー、チュニジア生まれのTonka Beans君が便乗参加した。
ライラック妃の親戚なので、甘いピンク色をしていて可愛いよ。
こんな人を乗せてイタリアからエジプト、チュニジア 南インド
香港経由で日本へ帰るハーモニー。
濃香な旅をお楽しみください。
まこと虫
P.S. 発売情報は追ってご連絡します。
※写真はイメージです。
MACOTT PARFUMS熟成限定香水より
新作香水のご案内です。
調香師Makoto Miyazakiの薔薇への深い敬愛と慈しみから誕生した
至極のフレグランス、『オールドローズオットー』新登場です。
つけた瞬間、肌の上で薔薇のつぼみがゆっくりと花開くような、
初々しく魅惑的な薔薇の香り物語。
肌で愛おしみ、味わいつくして.....
【2017年4月28日(金)昼12:00より発売開始】
※ご注文は、お電話・店頭ご来店(富山店、青山店)・オンラインストアにて
お昼12:00より承ります。
※発売時刻は多少前後する場合があります。あらかじめご了承ください。
数に限りがございますので完売の際はご容赦ください。
【ご注文、お問い合わせ先】
♢富山店:TEL 076-495-7633
♢青山店:TEL 03-5464-0930
“ひとたび嗅ぐと恋に堕ちる、唯一無二の香り”
澄み切った雪解け水のように淀みのない清冽な香り。
眠りから覚めたばかりのまだまだ青い未成熟の花の精。
ふさふさの睫毛についた涙のしずく。
まばゆいばかりに輝く世界を目にして心が弾む。
ミドルからラストにかけて芳醇なカルヴァドスやアニス、
麝香の香りを彷彿とさせて艶やかに変貌を遂げる。
見渡す限り一面に美しく広がる薔薇の楽園。
ひとたび嗅ぐと恋に堕ちる。そばにいる者を虜にしてしまう魅惑の香り。
苦みばしったほのかなクリームや花蜜の甘さを後に残して
最後まで花の女王と呼ばれるに相応しい気品溢れる麗しい薔薇の姿を見せてくれる。
全身から芳しい香りを放つ挙体芳香。ましてその香りが薔薇だとしたら。
そんな夢が叶ってしまいそうなほど、本物の薔薇が肌と心の内面に咲き誇る。
※写真はイメージです。
<Tuberose Golden香りの旅>
月夜に輝くホワイトムーンフラワー
月明かりに香ってくる白い花チュベローズは
強いイメージのようだが、実は神経質でとても弱いよ。
日中の光は強烈すぎて自分を守ることで精一杯なのだ。
この神経質さだからロマンチックな時でないと話してくれない。
その白い花から出る言葉は、ゴールデン色に輝いて新鮮な
ホワイトゴールドを思わせる夜風である。
アンフォラージュで仕上げたインド産熟成チュベローズアブソリュートを使った。
エクスクルーシブな香料だけブレンドしないとまとまらないのだ。
バジルリモネン、ライム、ミモザ、オットーローズ、ジャスミンサンバック、
ナルシス、ネロリビガラード、オレンジフラワーアブソリュート、オリスアブソリュート、
サンダルウッド、ローズウッド、バニラアブソリュート、アンバーグレイスなど。
化学式は秘密で書けないけど、チュベローズの重要な香気成分があるよ。
閾値が高くて、微量でキラリと香る化合物を助けているのだ。。。
それは、長い時間熟成されないとあらわれてこないよ。
スマートな感じの清潔な香調はリモネンライムで、一瞬の感じで次の
ゴールデン色が整理整頓されたグリーンリーフの中を通り抜けると。。
研ぎ澄まされたホワイトゴールドに生まれ変わるよ。
それからは安心感と達成感に包まれて
ベージュ色のリネンに包み込まれ、甘いパウダリーと微妙な苦み。。。
尖っていて優しく、スマートで上品ね。
おやすみの前に楽しんで、3〜5時間はいるよ。
もうマーケットにアンフォラージュ チュベローズ アブソリュートないよ。
輝く秘薬香は、23本です。
まこと虫
P.S. 発売情報は追ってご連絡します。
Violet Odorata香りの旅
においすみれは、小さな紫色したチャーミングな花で、
嗅いだ瞬間これは自然が生んだ香りなのかと思い、
恋におちる感覚であったとその昔を思い出す。
すみれの香りは、研ぎ澄まされてる紫色そのもので、
雑念があると感じとれないほど神経質で弱く、すぐ消えてしまう。
一度嗅いだら忘れられないよ。
すみれの香気成分はイロンで、アイリスの根茎に含まれる。
このためにアイリスを栽培した。
恋に落ちた私は、この香りを目標に研究してきた。
香りの旅の最初は、紫色のすみれの花が訪れます。
Carnation absolute、Osmanthus absolute、Tube rose absoute、
エクスクルーシブな金色に輝く花の香りは、熟成されないと現れないよ。
これに同伴して乗ってくるフレッシュグリーンは、
Violet Leaves aboslute 、Basil Grand vertなど。。
グリーンのバックに隠れて乗ってくるOrris absolute, Amber Grisは、
しっとり湿っているのだよ。
みんな一緒に乗って飛んでくる。。。
今回は、パッと消えるすみれが生きてるように輝いて飛んできて、脳に響くよ。
においすみれの花と香気成分と睨めっこしながら仕上がった
Violet Odorataは自信作です。
ムエットは24時間紫色のすみれが居ますよ、お洒落でございます。
26本できました。
もっとできるようにしたいのですが、毎年香料の出来と
熟成具合が違うのでごめんなさい。
まこと虫
P.S. 発売情報は追ってご連絡します。
[ホワイトビガラード香り旅]
その昔20年くらい前、ブラジルに3か月ほど旅した時に、
リオから2時間ほど車を走らせ友人宅を訪問したそこは、
段々畑でオレンジの木に白い花が咲きまくっていたのだよ。
偶然で。。。
晴れた青空に白い花が反射して眩しく、
優しいオレンジクリームに白檀の香りが飛んできた思い出がある。
可愛いクリームオレンジの香りと白檀。。。
風が混ざり合い、贅沢で高貴な空間を楽しませていただいた。
チュニジア産のネロリ油はクオリティが高く、
ここ2年は雨が多くて完全なものはほとんどないよ。
2009年に仕込んだネロリ油をベースに2011年に再ブレンドし、
2014年にまたブレンドしたのが仕上がった。。。
オーデパルファン2011は完売した。。
パルファンの完成は初めてか・・・
質の良い熟成ネロリ油に
オレンジフラワーアブソリュート、ジャスミン、ジャスミンサンバックLight、
グリーンを感じるバイオレットリーフ、オスマンタス、ローズオットー油、
サンダルウッドにレザーノートなどの旅。
ネロリの手袋と言われてきたエピソードは、
本当に皮とネロリが良く似合うことを貴婦人方は知っていたのね。
今回の開発コンセプトは、
肌につけて嗅いだ時にネロリの農園の強烈で優しい高貴な香りからはじまります。