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“Pink Rose Otto ”開発秘話(調香師便り)




この時期になると、ブルガリアから続々ローズオイルのサンプルが届く。
ブルガリアで一番最初にローズオイルを売りだした会社
ORGANICのライセンスを持つ会社
香りをくらべるとそれぞれ違う。
 
まずローズオイルについて・・・
3.5〜4.5トンの花を水蒸気蒸留して一キロのオイルを抽出する。
それからオイルに残った水分を冷凍して取り除き、約一か月間熟成させる。
それが製品となるわけだ。


 
 
私は値段に関係なく一番優れた物を買う。
 
そうして得たものを自分の手できれいに整える。
そして製品にするのだ。
 
 
Pink Rose Otto
ローズオイルの香りをくずさず表現した香水である。
 
rose111.JPG














エタノールにローズオイルをしのばすこと6ヶ月で芋くささが少し消える。
これに少量のジャスミンを10000分の1%くわえることでお花の甘さがでる。
後にミモザ、オスマンタス、ネロリ、オレンジフラワー、イランイラン、ナルシス、
イリスなどがバランスよくはいっている。
香りの幅がひろい、言わば“クセ物”の花ばかりをひとつ屋根のしたに生活させるのだ。
すべての調和がとれるまで様子を見続けなければならない。
少なくとも1年。ようやくPink Rose Ottoの称号が与えられる。
 
 
最初にとんでくる匂いは、【シトロネロール】。
白い花にレモンをパウダーした水のような。

次は、リンゴ飴のようなハチミツの匂い【ローズオキサイド】。

一番の盛り上がりは、ゼラニウムやローズにふくまれる【ゲラニオール】。
気取ったピンク色の花に鉛筆をいれかきまぜた匂い。

それからピンクカーネションの【オイゲノール】。
バニラの甘さに胡麻パウダーが緻密にはいった匂い。

ラストはジャスミンの成分にふくまれている【インドール】。
甘くソフトなバニラに少量の炭の匂い。

締めくくりはイリスの根茎にふくまれてれる【イロン】。
パウダリックな金色の匂い。
 
 
 
この香りたちが一瞬に飛んでくる。
 
ピンクゴールドのメタリックの粉末が可憐なピンクの花にまざった愛の香り。
 
 
クレオパトラの恋人はこのような香りの虜になったのです。きっと。
 

調香師 M.Miyazaki



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